横浜駅近く、丘の上にある教会。捜真バプテスト教会です。

2023/8/20の礼拝

8月20日(日）10時30分より
壮年会担当礼拝
メッセージ：「不安の時代を生きる」
聖書：ローマの信徒への手紙8章5-8節
説教者：長谷川温雄師

※どなたでも視聴できます。

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現在は不安な出来事が多い時代です。この中で死ほどすべての人の関心を呼ぶものはありません。若い人でもやがて肉に死ぬのです。ルッターもそのことを言い、現代人は寿命が短くなったといいます。詩編５５；３に「私は嘆きの中にあって不安です」とか、ルカの２１：２５、第１コリント２；３などにもパウロが自らの恐れ、不安を語っています。
私の友人の赤塚行雄（文芸評論家）は、「不安からの脱出」という本の中で幾つかの方法を試みています。私の同世代の神学者E・ユンゲルはToｄ(死)という本の中で、いろいろな解き明かしをしています。誰にとっても寿命や病気は最大の関心事であります。わが国では、医学、生物学、心理学それに気功などの論点からとらえる人が多いのですが、彼は教義学的な視点に立ってとらえようとしています。ユンゲルはアブラハムの死から初めて、現代の個人の死を挙げています。私たちも昔は病気というと結核、現在はがんや　自殺による死が原因とされることが多いのです。
わたしも太平洋戦争時代に、アメリカの艦載機による機銃掃射を受けてことがあります。とっさのことで恐怖が先立ち不安を思う余地はなかったのですが、晩年になって、胃がんを患い死を恐れることになりました。これらは原因がはっきりしていますが、不安にはいつ来るかわからない、どんな形のものかはっきりしないものもあるのです。
私が教会に通うようになったはじめの頃は、哲学的な意味からで、三人称の神しか知りませんでした。神の救いに対する体験がなかったのです。今日賛美した444番は、神を気づかせてくれるものです。最近読んだ久保のどかさんの本「神様、なんで?」はあらためて一人称での神への呼びかけを知らせてくれました。
不安という状況の中で、「神は愛なり」と知っているといっても、不安がなくなるわけではありません。キエルケゴールという人をご存じと思いますが、「不安の概念」という本の中で、不安は無知によるといいます。この無知が罪を生むというのです。この先どうなるかわからない。ユンゲルは不安が罪を生み出す前提条件だといい、「罪の支払う報酬は死である」（ローマ６；２３）ということから、「不安は死を生む」と言います。一方「死に対する不安は自分を守るためにある」そして「人間は神と平和に生きるときのみ不安がなくなる」と述べています。私たちは絶望に陥らないために、「主イエスの十字架による贖罪」を受け入れるしか道がないのです。
パウル・ティリッヒの「生きる勇気」という本の中に不安を三つに分けた説明があります。一つは運命と死の不安、二つに空虚と無意味の不安、三つめに罪責と断罪の不安です。初め仕方は不安は無視してしまうか、あきらめてしまうかの方法しかない。しかし不安はしつこいのです。ですからノイローゼやうつ病といった精神病学による治療法があげられます、今日でも治らない人も多くいます。そうなればこの不安は神の愛を受け入れて、信仰によって癒していただくことしか道がないように思われます。はっきりした原因のない不安には、この方法しかないのではないでしょうか。




前　　　奏　　 ― 主よ　あわれみたまえ ― 　　 J.S.バッハ
招　　　詞　　　詩編55編3節（下記）
賛　　　美　　　讃美歌21-444　気づかせ下さい
主の祈り　　
聖　　　書　　　ローマの信徒への手紙8章5-8節（新約p.284）
祈　　　祷
黙　　　想
説　　　教　　　「不安の時代を生きる」　　　　　長谷川温雄師
祈　　　祷　
賛　　　美　　　讃美歌21-469 善き力にわれかこまれ（1,3,5）
献　　　金　　
感謝祈祷
賛　　　美　　　讃美歌21-25父・子・聖霊に
祝　　　祷　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 長谷川温雄師
後　　　奏
分かち合い

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わたしに耳を傾け、答えてください。
わたしは悩みの中にあってうろたえています。
わたしは不安です。(詩55：3)





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