主イエス・キリスト様が弟子たちに語られた「告別の説教」(14~16章)の目的は、彼らが平和(平安)を得るためでありました。そして復活の主が弟子たちに最初に語られた言葉も平和(平安)があるようにというものでした。『あなたがたに平和があるように』とは「シャローム・アレヘム」という挨拶ですが、この場合は特別な意味をもっていました。それは自分たちも捕らわれるのではないだろうかという、大きな不安と恐れの中にある弟子たちに対する慰めと励ましの言葉であったのです。
恐れと信仰は正反対のものです。恐れは霊の目を閉ざします。弟子たちは不信仰の罪を犯していたのでした。ガリラヤへ行くようにとの命令(マタイ28:10)にもかかわらずエルサレムに留まっていました。またルカ福音書を見ますと、復活の主に出会った時も彼らは恐れております(24:37)。復活とはキリストとの「真の出会い」であります。この出会いによって、不安や恐れは喜びや希望に変えられるのです。
私たちの心にも仕事に関する不安や、子どもの教育への悩み、また老後への恐れや経済的な心配があります。しかし復活の主を私たちの心にお迎えして、インマヌエルの神が共におられることを確信するとき、主に在る「真の平安」が与えられるのです。♪恐れは変わりて祈りとなり、嘆きは変わりて歌となりぬ♪(聖歌498)ハレルヤ。 |