勇気を出しなさい   (2010年度2月号より)

「これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。あなた方は世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」  ヨハネによる福音書 16章33節

 上記の言葉は、イエス様が十字架にかかられる直前に、弟子たちに語った言葉です。ご自分が居なくなった後の弟子たちに、「勇気を出しなさい」と励ましを与えています。

 私はここ数年、毎年屋久島に行っています。とても魅力的な島ですが、島を回っていると、「シドッチ神父上陸の地」という場所があります。このシドッチ神父は、1708年に屋久島に上陸します。その時彼は侍の格好をしていたそうです。もちろん日本は鎖国でしたから、彼は長崎に送られ、その後江戸で新井白石に尋問を受け、日本人に宣教をしない約束をさせられ、キリシタン屋敷に収容されます。つまり、日本に来たものの、その目的は果たせなかったのです。しかし、彼の神に信頼し、祈る姿に触れた、身の回りの世話をしていた長助・ハル夫妻が、洗礼を受けたいと申し出たのです。シドッチは禁令を破り、彼らに洗礼を授けました。そのため、今度は地下牢に入れられ、待遇も悪くなり、獄中で47歳の生涯を閉じました。日本に宣教したいという思いで、侍の格好までしてやっとついたのに、自分の思い描いていたような働きは出来なかったとき、どんなにがっかりしたでしょう。しかし、希望を捨てずに祈り続け、二人の日本人を導いたのです。

 思いがいくら強くても、うまくいかないことは沢山あります。しかし、すでに世に勝たれているイエス様を知っている私たちは、絶望することはありません。自分の思い描いている形でなくても、私たちの思いは、神様が受け取り、実現してくださるのです。祈り続けていきましょう。

幼稚科  T.T


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