全地は暗くなり・・・ (2009年度9月号より)
海にプール、旅行に宿題・・・!?夏休みは普段できないことに、じっくりと取り組めますね。
今年の夏休み、皆さんはどんなことが思い出に残ったでしょうか?
旅行が好きな払は今年もよく出掛けましたが、その中でも特に思い出深いのは《皆既日食》です!!
今回は国内で見られるので期待していましたが、皆既日食が見られるエリアは、交通手段も宿泊場所も既にいっぱいでした。何故いきなり日食マニアになってしまったのか・・・始めは冗談話でしたが、「見られない」となるともうほとんど意地になります。横浜でも部分日食は見られたのですが、すっかりダイヤモンドリングを見る気でいましたから、思い切って上海まで飛ぶことを決意しました!
上海は、高層ビル群と古い町並みとが川を隔てて同時に見られる街です。車の通りが多くクラクションが絶えず響いていますが、上海モリビルの展望台に登ったり、有名な夜景を見たりして観光もしました。安くて可愛い雑貨も多くて、買物もお勧めです。
まちに待った7月22日、観察場所に選んだ公園は思ったよりも空いていました。そして集まった近隣の人は散歩ついでの様子で、専門的な機材を持ち込んで準備をしていたのは外国人だけだったことに驚きました。とうとう日食は薄曇りの中で始まりました。右上の端から少しずつ欠けていくのを不思議な気持ちで見ていましたが、それを隠すように雨が振り出し、厚い雲の向こうではだんだんと月が太陽に重なっていきます。暗くなってくると周囲の建物には電灯がつき、完全に重なったと思われる約3分間、あたりはすっかり夜になりました。
鳥肌が立ち、不気味さと恐怖とを感じながら、私の頭にはずっとイエス様が十字架の上で叫ばれた言葉がぐるぐると響いていました。
『父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。』
何故その時に、その御言葉が浮かんだのか、何故心が苦しかったのか…イエス様の厳しくて優しい言葉は、私に何を伝えていたのでしょうか。太陽が光を取り戻しても、上海から日本に戻ってきても、未だその答えは見つかっていません。しかし、神様からのメッセージは確実に私たちに届けられています。神様に赦されて、生かされている私たちは、どのように応えていったらよいのでしょう。
次に国内で見られる皆既日食にリベンジを誓いつつ、神様のメッセージに応えて歩んでいきたいと思う夏休みでした。
『昼の十二時になると、全地は暗くなり、それが三時まで続いた。三時にイエスは大声で叫ばれた。「エロイ、エロイ、レマ、サバクタニ。」これは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。』(マルコ15:33~34)
中学科1年担任 F.S
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