成人科の学びより (2010年度10月号より)
『ナルドの香油』
<マルコによる福音書14章1節〜11節>
マルコ福音書は11章から15章に受難週の出来事を記しています。受難週は弟子たちの反対を押し切ってエルサレムに入城されたイエスさまが、私たちの罪の贖いのために、十字架に付けられる最後の一週間のことです。
重い皮膚病のシモンの家で、共に食事をしようとする時の出来事です。シモンの家に座ったイエスさまに、女性マリアが最上級の純粋な香油、「ナルドの香油」の瓶を割り、惜しげもなくその油をイエスさまに注ぎ、その足元を自分の髪の毛で拭うのでした。
この香油は一瓶で当時の労働者の1年分の給料に相当するほど高価なものでした。弟子たちは「もったいない!それを売れば、貧しい人々に恵んであげられるのに・・」と非難します。
でも、イエスさまは「するままにさせておきなさい」と言われました。マリアの行為は、十字架の死を目前にしたイエスさまへの「油注ぎ」(王に任命する時の儀式)と「葬りの備え」(埋葬の準備)の二つの意味を示したものです。
マリアは自分の持っている最上のものをイエスさまに捧げたのです。石膏の壺は打ち砕かれ、そのすべてがイエスさまに注がれました。
私たちのために、自分の独り子を惜しげもなく捧げられた神さまの愛に応えるために、捧げる私たちの「愛の捧げもの」は何でしょうか?愛の浪費を惜しまずに歩いていきたいですね。
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