成人科の学びより (2010年度03月号より)
『良い羊飼い』
<ヨハネによる福音書10章7節〜11節>
「私は良い羊飼いである」とイエスは言われます。キリスト教がまだ公認されていない時代のローマ(3世紀〜4世紀)では、最初のキリスト者たちは、迫害をさけるために「カタコンベ」と呼ばれる地下の墓地で隠れて集会をしていました。
カタコンベは墓地ですから、当然棺が並べられてあります。それらのどの棺にも「良い羊飼い」の絵が描かれていました。当時のキリスト者にとって、真の慰めと励ましを与えて下さるのは、良い羊飼いであるイエス・キリストが、たとえ死の影の谷を歩む時にも共にいて下さり、天国への宴席に招いて下さるとの確信があったからです。
当時の残されたものを見ても、天国の絵巻物・・・想像する天国の華やかさ、豊かさ、美しさ・・・のようなものは一つもありません。ただ繰り返し、繰り返してはっきりと羊飼いの姿だけを仰ぎ見たのです。
キリストによって、神は私たちと共にいて下さるのだという強い信仰は、それこそが“永遠の命”であり、それ以外のことは分からなくても大丈夫なんだと考え、すべてを良い羊飼いイエス・キリストにゆだねることであったのです。
私たちも、私たちの「良い羊飼い」イエス・キリストだけを信じて、すべてをゆだねて、日々を過ごして行きましょう。
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