捜真幼稚園の保育(特色)

捜真幼稚園の教育目標

いつも喜んでいなさい。たえず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。
これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです。

 新約聖書 テサロニケの信徒への手紙一 5章16〜18節

この聖書の御言葉を捜真幼稚園の教育の目標としています。

  1. 神が一人ひとりの子どもに与えてくださっている命・人格・個性の尊さを認めつつ、その育成を目指します。
  2. 心と身体の健全な成長と発達をうながすように、子どもの生活(あそび)のための最良の環境を整えます。
  3. 一人ひとりの子どもが、与えられて持っている能力を、充分に発揮しながら、進んで活動(あそび)をするように、自立心と意欲を育てます。
  4. 集団生活のルールと生活習慣を身につけて、思いやりとやさしい心をもって友だちといっしょに遊ぶ(生きる)喜びを経験できるように教え育てます。

礼拝

 幼稚園の生活全体を支え、保育の基盤となっているのは、神さまへの礼拝です。このことは、創立以来ずっと大切にしてきたことです。子どもたちは、礼拝を通して、神さまの存在を感じ、自分自身を振り返ったり、友だちに心を寄せたり、社会や自然のなりゆきにも思いをめぐらします。特別な行事の中で、各学年での年間のカリキュラムにそった礼拝で、また日々のあつまりや食前や帰る前など、生活の折りに触れて、みんなで心を合わせて祈るひとときがあります。 

 このことを通して、一人ひとりが神さまの愛のなかに生かされていることに気づき、喜びのうちに心豊かに育てられていくことを願っています。

 保育者は毎朝子どもたちを迎える前、祈祷会をもっています。神さまを賛美し、聖書のみ言葉に聴き、祈りを捧げます。日々、神さまに全てを整えていただいて、保育の業に押し出されていくことを大切なときとして感謝しています。 

遊び

*「遊び」は生活です。

 幼稚園では、日常の様々な生活体験を楽しみながら経験していくことを、「遊び」と考えています。そして、一人ひとりの子どもが大切にされ、自由な環境の中で安心して伸び伸びと生活できるように配慮しています。初め、緊張の中にあった子どもたちも、保育者や友だちと出会い、共通の経験をする中で安心して自分を表現することができます。ある時は心を合わせて取り組んだり、ある時は葛藤を経験しながら、お互いを分かり合える仲間、許し合える仲間として信頼が芽生えていきます。 

*「遊び」は学習です。

 大人の生活とは違って、子どもにとって、「遊び」は豊かな学習の場です。毎日の遊びの中に新しい出会いがあり、新しい世界が広がります。遊びを毎日繰り返していても、子どもたちは決して飽きません。同じように見える遊びにも、随所に子どもたちの知恵が光り、成長が見られます。

子どもの身体的な成長と共に、集団の中で自由に遊ぶことによって、他者との違いに気づいたり、協力したり、自分の意見を伝えたり、共に生きるための努力を学びます。遊びこんでいくほど、お互いの気持ちに敏感になり、相手をより知りたいという気持ちが育っていきます。これが幼児期に最も育つといわれている想像力を養うのに、欠かせないことなのです。

人との交わり

 子どもたちは幼稚園という一つの社会の中で、人と交わりながらたくさんのことを学んでいきます。同年齢の友だちや保育者との関わりだけでなく、異年齢の友だちと関わる時も大切にしています。毎日幼稚園で子どもたちは、自由に好きな場所で好きなことをして遊びます。その中で自然と学年やクラス等関係なく出会い、遊んだりするのです。このように自然と関わり合うだけでなく、年間を通してカリキュラムの中に子どもたちの豊かな関わりを促すプログラムがあります。

 4月には入園したての新入園児を年長組の子どもが誘い、初めて園庭で遊ぶ年少、年中組の面倒を見ながら遊ぶ時を持っています。お弁当が始まってからは学期に数回全園児で一緒にお弁当を食べます。年長組だけで出かける自然教室では宿泊先から年少組・年中組に手紙を書いて送っています。水曜日には全園児が同じ部屋に集まり、お誕生日会や礼拝、ゲームなどをするあつまりの時間を持っています。

 幼稚園生活にすっかり慣れた10月頃から週に一度、縦割りクラスでの活動をはじめます。クラスを4つに分け、全クラスが混ざった4つのクラスを作っています。縦割りクラスで、礼拝、お弁当、絵本の読み聞かせ、ゲームなどをして、お昼をはさんで2時間程の時を一緒に過ごします。3学期になると年中組と年長組は、登園してから降園するまで一日中縦割りクラスで過ごします。

 異年齢の関わりの中で、年長組の子どもたちはお兄さん、お姉さんとしての意識を持つようになり、自然と下の子のお世話をするようになります。また、年中組や年少組の子どもたちは優しいお兄さんお姉さんに、甘えたり、あこがれを持って、真似て行動する様子が見られます。異年齢の子どもとの関わりは、同年齢同士では味わえない交わりや広がりが生まれ、子どもたちを豊かに成長させていきます。人との関わりが子どもの心を動かし、内面を育て、子ども自身が人との関わり方を見出す力になっているのです。

交流

年長児は年3回三ツ沢小学校で行われる「わくわくなかよし会」に参加し、1年生と交流する時を過ごしています。
捜真教会で行なわれる燦燦会に集まってくる老人の方と交わる時も持っています。
捜真学院の中高生とは体験学習、絵本の読み聞かせ、保育ボランティアなど様々なかたちで子どもたちとの交流の機会を持っています。
松本中学校の体験学習、地域の高校生のインターシップの生徒を受け入れることで、地域との交流にも取り組んでいます。

自然とふれあう

 園庭や園周囲は自然に囲まれ、子どもたちは季節の移り変わりを全身で感じています。

 春は、桜や、子どもたちが植えたチューリップ等の花々の中を駆け回り、園で育てたイチゴや木いちごを摘んで味わい、アリやミミズ、ダンゴ虫、バッタ等の小さな虫たちと出会います。おたまじゃくしやチョウチョウ、カブトムシの幼虫を育てて、その変化する姿に喜び、生命の不思議を感じています。雨が降る頃になると、傘をさして雨の中を散歩し、園庭にできた水溜りで遊んだり、雨の音を楽しんだりします。初夏には、園庭のビワや夏みかんの木にたくさんの実がなります。子どもたちは、木に登り、保育者と共に自然の実りを手にし、目を輝かせて口に含みます。また、その年によっては、ナス・ピーマン・トマト・キュウリ等の野菜の種や苗を植えて、その実を収穫します。時には、子どもたちが調理して、サラダや野菜炒め、味噌汁等にして、みんなでおいしくいただきます。秋になると、シイの実やドングリを拾い、コマを作ったり、炒って食べたりします。また、それぞれの家の近くでみつけたマツボックリや、いろいろな形の木の実、葉などを持ち寄って、部屋飾りを作ったり、ネックレスや指輪などを作ったりすることもあります。風がだんだん寒くなり、冬を迎えると、裸になった木に小さな芽を見つけたり、落ち葉の下に眠っている小さな虫の動きに気づいて声援を送ったりして、新しい生命を心から待ち続けます。

 このようにして、子どもたちが目で見て、手で触れ、直接感じ、友だちや保育者と分かち合い共感することによって、自然界の事象に関心を持ち、私たちの造り主であり、命の源である神様の愛を知るようになります。そして、与えられた大きな恵みの中で、一人ひとり、一つ一つの命を大切にして生きることを覚えていきます。

自然教室

 年長児は、6月に2泊3日の自然教室に出かけます。静岡県御殿場市二ノ岡にある捜真学院の施設を借りて行っています。

 緑豊かで目の前には富士山も見える自然の中で、3日間、礼拝、散歩、オリエンテーリング、キャンプファイヤー、ハイキング等、幼稚園では経験できない様々なプログラムを楽しみます。自然の中で鳥や虫の声に耳を澄ませ、木いちごを見つけて食べたり、川下りを楽しんだり、心と体をいっぱい動かして遊び、また食事、お風呂、掃除、自分の荷物整理等も一つ一つを友だちと協力し、助け合いながら、自分の力で行っていきます。みんなで食べる食事のおいしさに感激したり、大きな富士山に驚いたり、キャンプファイヤーの炎の明るさに喜んだり、お風呂では歌いながら背中の洗いっこをしたり、いろいろなことを感じながら、子どもたちは3日間、家族と離れて過ごす不安を乗り越え、自分のことを自分でできることを喜び、自信をつけて一回り大きくなって帰って来ます。

 この経験で得た喜び、充実感はその後の園生活にもつながっていき、友だち関係を深め、自分の世界をまた一つ広げていく様子が見られます。なによりも子ども一人一人の心に忘れがたい大切な思い出として刻まれることでしょう。

 各家庭が安心して子どもを送り出せるよう、準備の時も大切にし、個別に話し合いの時を持ち、帰って来てからは報告と共に写真やビデオで子どもたちの様子をお伝えしております。

絵本の貸出し

 週に一度年長児を対象に絵本の貸出しを行っています。図書室にはお話の本自然の本、かがくの本、工作の本、キリスト教関連の本など、900冊の蔵書があります。その中から子どもたちは自由に本を選び、家に持ち帰ります。子どもたちは、本の貸出日をとても楽しみにしており、次は、この本を借りようと前々から決めている子どももいます。本の貸出日に、目的の本を探し借りていく子ども、友だちが面白いと言った本を借りていく子ども、保育者が読み聞かせた本を借りていく子ども、図書室のテーブルに本を広げ何冊も手にとってページをめくり借りたい本を探す子どもなど、本の選び方や本の好みは子どもによって様々です。一年を通して子どもたちは沢山の本と出会い、本を選ぶ楽しさと読む楽しさを味わっています。

 絵本の貸出しの目的の一つは、子どもが家庭でじっくりと本に親しむためです。決して字が読める様になることを目的としているのではありません。もう一つの目的は、自分で選んだ本をお家の方にも読んで頂くためです。そして読み手であるお家の方にも、絵本の世界を親しんで頂けるようになるためでもあります。大好きなお家の方の膝に座り肌と肌を触れ合いながら、また夜布団で一緒に入って本を読んでもらうことが子どもは大好きです。本を読み聞かせることで、子どもが喜ぶと同時に、一冊の本を一緒に読むことで生まれる会話や共感できる体験が子どもの心を豊かにし、親にとっても子どもが考えていることや感じていることを知ることができる親子の触れ合いの場となるのです。

 本を巡る親と子の暖かい触れ合い、また本を通して語られる親の心のこもった言葉によって、子どもたちの中に人の話にしっかりと耳を傾け聞ける力や、人間関係を築く上で大切な言葉が自然と身につき、子どもの心を豊かにしていきます。

幼い頃、本を読んでもらう体験をなさった方もいらっしゃることでしょう。その大好きな本を思い出す時、読んでくださった人の声のぬくもりが一緒に大切な忘れられない思い出となってよみがえってきます。親子で心をしっかりと通わせ合いながら、絵本のすばらしい世界を旅し、心の絆となる共通体験をもっていただきたいと願い、絵本の貸出しを続けています。

絵本の読み聞かせ

 自由遊びの中や、毎日の降園前に各クラスで絵本の読み聞かせをしています。1冊の絵本の世界をみんなで共有する時間は、とても豊かな楽しい時間です。 子どもたち一人ひとりが、その絵本の中にある喜び、悲しみ、驚き、恐れ、安心、希望、音や匂い・・・などを感じ取り、友だちや保育者と一緒にそれらを分かち合うのです。毎日、1冊の絵本との出会いを経験し(長編の物語を、数日かけて読む場合もあります)、子どもたちの想像力やさまざまな感情が培われていきます。

 幼児にとって、絵本は自分で読むための本ではありません。絵本は子どもに読ませる本ではなく、大人が子どもに読んであげる本です。

 読み聞かせの間、子どもたちは目で字を追っているのではありません。耳で保育者の声を聞きながら、目は絵本の絵を隅々まで見ています。その両方から広がる絵本の世界を楽しんでいるのです。子どもたちの中には、文字に興味を持ち、ひらがな等を読める子どもも多くいます。しかし、絵本を読むということは、情報伝達や知的形成が目的なのではありません。泉のようにあふれる言葉に触れ、また、絵が語っていることを読み取りながら、絵本の時間を楽しく過ごすのです。

 読み聞かせに際して、保育者は絵本の表紙から裏表紙にいたるまで、子どもたちが充分に絵を楽しめるように配慮しています。また、声色を使うことを避け、子どもたち一人ひとりが持つ絵本のイメージを壊さないように気をつけています。

 今は、新しい本が続々と出され、本があふれている時代です。 そのような中で、捜真幼稚園では、すばらしい絵本との出会いを願いつつ、良い本を選ぶ目を持つように、また、良い本を大切にし続けるように心がけています。

お話(素話)

 捜真幼稚園には、「お話」の時間があります。保育者たちが交替で、昔話や創作童話を子どもたちに話しています。「お話」をしている幼稚園は少ないのですが、捜真幼稚園では、伝統的に昔から行っています。

 「お話」は、朗読や絵本とは違います。子どもたちは耳で「お話」を聞きながら、それぞれが自分の世界で映像を作り上げています。初めは5分ぐらいの「お話」から、3学期になると15分ぐらいのお話も聞くことができるようになります。「お話」は、、子どもたちにとってどんな意味があるのでしょうか。まず、言葉を聞く習慣ができることです。現代は、音が氾濫していて、大半は聞き流して暮らしています。人の声に耳を傾けることが自然と身に付いてきます。また、昔から言葉で言い伝えてきた「お話」には、言葉や、リズムの美しさがあります。一つの文化となっています。「お話」を聞くことで、美しい文化に触れることができます。それから、「お話」を聞くことで、イメージを膨らませる力が身に付きます。主人公になりきって、いろいろな人の心を体験することができます。季節や、様々な国の空気を感じ、イメージが豊かになることで、遊びも豊かになります。そして、なによりも、お話には力があります。これから人生を生きていく子どもたちに、力を与えてくれます。多くの昔話には、子どもの育っていく筋道が示されているのです。

 ヨーロッパのある語り手がこう言っています。「本を読むというのは知ることにすぎない。しかし、語ること、聞くことは体験である。語っていると、聞き手のこれまでかたく閉ざされていた心のとびらが内的世界に向かって開かれていくのを感ずることができる」と。語っている保育者たちも、私たちを見つめている子どもたちの瞳の中に、無限の世界が広がっているのをいつも感じています。

大切なこと

 親子で楽しく登降園

捜真幼稚園に園バスはありません。園と家をつなぐ道、その道のりを、親子で会話を楽しみ、季節ごとに変わりゆく景色を眺めながら通園することは、貴重な時間であり、豊かな時間です。また、毎日、保護者と保育者が顔をあわせ、挨拶の言葉を交わし子どもの成長を喜び合うことができます。日々喜び悲しみを共有できることは、お互いの信頼関係や支え合う協力関係を生み出しています。

 自由な服装で過ごす園生活
    
ルールを守りつつ、一人一人の子どもたちが自由な服装で遊ぶ姿は、個性が光っています。 園生活の中では、気候の変化で衣服の調節をしたり、汚れた服を取替えたりと、自分で考えて行動していく力が育っています。朝家で衣服を着る時に、今日の自分の遊びを考えて、その日の服装を決める子どももいます。服装も大切な個性の現れです。

 うれしい手作りのお弁当
    
子どもたちは水曜日を除く毎日、お母さんの愛情のこもったお弁当をいただきます。それは体には勿論のこと、心にも力を蓄えることができます。お弁当は、その子どもの体質や体調に合わせて、食べ物の素材や量などを考えられることも大変重要なことで、お弁当のいいところです。またお弁当の時間は、おいしく食べながら様々な食物と出会う時で、いのちをいただく感謝の気持ちを育てます。友だちとの会話も弾み良い交わりが生まれます。家族の愛情を感じながら、子どもたちはお弁当の時間をとても楽しんでいます。

 園バスがない・自由な服装・手作りお弁当、これらのことは、一見面倒に思えるかもしれません。しかし、子育ての中で何に心を配り、何を大切にしていくのかということを共に考える大変貴重な事柄です。
 子どもに合わせて、色々配慮しながら楽しく子育てをしていくことは、まさしく親子の貴重な時間を共に過ごすことであり、同時に、そのことを通して保護者も保育者も自分自身が育つことになるのです。

保育者の研鑽

 バプテスト同盟、キリスト教保育連盟、横浜市幼稚園協会、神奈川県幼稚園連合会など様々な研修会に参加し幅広い学びを通して保育者一人ひとりの保育の向上に勤めています。」
2011年10月には神奈川県幼稚園連合会が行う、公開保育の公開園として選ばれました。

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