リコーダーで、

“風”を楽しむ

アンサンブル風メンバー鈴木敦子さんにお聞きするリコーダーの魅力
H:チャペルコンサートはどんな形になるのでしょうか?

S:リコーダーだけでなく、打楽器や歌も交えて、リコーダーの活躍した中世・ルネサンス、なつかしい日本の歌、“ 待ちのぞむ日”として古いクリスマスの曲、そしてバッハと、お話をはさみながら楽しく聴いていただけるように工夫しました。ご期待ください。

聞き手: 檜佐章子
H:リコーダーアンサンブルを始めたきっかけは?

S:もともと音楽を通じて知り合った友人を中心に、リコーダーの優しく温かい音色に魅せられた仲間たちが集まりました。

H:アンサンブル風として活動を始めたのはいつからですか?

S:1995年からです。多少入れ替わりがありましたが、ここ数年はこのメンバーで活動しています。

H:皆さんそれぞれご家庭があって、お仕事をなさっている方もいらっしゃるようですが、スケジュールを合わせて練習するのはたいへんでは?

S:そうですね。家族の理解や協力がなければここまで続けることはできなかったと思っています。リコーダーは繊細な楽器です。体調の変化や心理的な動揺がすぐ音にでてしまいます。独奏とアンサンブルでは微妙にニュアンスが違ってくることもありますから、集まって練習するときは、ひたすら、全員の音がひとつにまとまるまでアンサンブルに没頭します。

H:風のネーミングの由来とダブルコロンの向きのこだわりは?

S:リコーダーは〝私たちの息で奏でるものbreath 〞すなわち 風 です。季節を吹きわたる風のように、お聞き下さる皆さまの心に優しい響きや温かな気持ちを届けられたら・・・との思いをこめました。そして、同名のアンサンブルが複数あることがわかったので区別するために風としました。

H:今皆さんが使われるリコーダーの種類はどのくらいがあるのですか?

S:8種類、30本くらいあります。小さいものは10数センチくらいのものから大きいものは2メートル弱のものまであり、材質は木で、つげ、黒檀、紫檀、キングウッドなどです。

H:リコーダーはいつ頃からある楽器なのでしょうか?

S: 15世紀くらいにヨーロッパでリコーダーが盛んに演奏されるようになりました。ヨーロッパの音楽は宗教音楽とも密接な関係を持っています。私たちが演奏する中世・ルネサンスの曲の中にも祈りや祭りを題材にしたものがあります。小さく、持ち運びしやすいリコーダーで賛美の歌が奏でられたのでしょう。形態はパイプオルガンの管の1本1本ととても似ています。どちらも風(息)で音を出す楽器という点でもパイプオルガンとは相性が良いといえます。以前県民ホールで、パイプオルガンと合奏したことがありますが、パイプオルガンの管の一部に私たちのリコーダーの管が加わった一体感は素晴らしいものでした。

H:リコーダーのための曲というのは、やはり宗教音楽が多いのでしょうか?

S:リコーダーが活躍したのは主にルネサンス・バロック時代です。宗教音楽に限らず、合奏や踊りや歌の伴奏、独奏と、色々な曲の演奏に使われました。今のリコーダーの形はバロックの時代のものです。バッハの時代ですね。バッハはたくさんのカンタータを作曲していますが、天の声、神の声などの神聖なものをイメージさせる部分にリコーダーをよく使っています。

H:これからの目標、テーマはなんですか?

S:ここ数年「時空を超えて」というタイトルをコンサートのテーマにしています。これは風とも通じるものです。何百年も前から今までに、数え切れないほどの曲が作曲されてきました。そのなかで、どれくらいのものが残っているでしょうか。今残っているものは、多くの人に感銘を与えたので、それをもっと広めよう、伝えようとした人がいたからこそ残っているのだと思います。そして、私たちは今の時代にそれと出会ったのです。そして演奏することによってまた次に伝えていくのです。こうやって文化とか音楽という目に見えないものが、一本の糸のように繋がって受け継がれていくのです。私たち風もリコーダーの音色にのせていろいろな思いを人々の心に届けることができたら、まさに、「時空を超える風」になれたらどんなに幸福なことでしょう。

H:捜真バプテスト教会でのコンサートが楽しみです。ご活躍をお祈りいたします。ありがとうございました。

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