オルガン募金委員長 徳田博子
「主を賛美するために民は創造された。」 詩編102章19節
この聖句に触れるたびに私はキリスト教の歴史は賛美とともにあるということを強く感じます。
賛美の持つ力は、悩み、苦しみ、寂しさを乗り越えさせ、それに立ち向かう勇気を与えます。人は神に似せて造られ、より良いものを求めて発達してきました。今日まで人々は様々な形で主を賛美して来ました。旧約の時代には、笛、太鼓、シンバル、竪琴を使って、キリスト教がヨーロッパに伝わると、オルガンが礼拝の楽器として発達してきました。
捜真教会の歴史を振り返ってみると、創立当初から40数年間礼拝の楽器はリードオルガンを使用してきました。時代の移り変わりと共に世の中が少しずつ豊かになり、礼拝出席者も多くなってきた頃、アメリカロジャース社のパイプ電子オルガンを礼拝堂で預かる事になりました。
足鍵盤、二段の手鍵盤のある本格的なオルガンに恵まれた事で、オルガニスト達が真剣にオルガン奏法を勉強するようになり、そこで、本格的なオルガンを購入したいという声が上がって、現在のオルガン、オランダ製カントールが千葉勇牧師の遺産を基にして設置されました。
それによってオルガニストが研修を重ねて成長し、若い人達も次々に育って、現在10人余のオルガニストに恵まれています。
しかし、そのオルガンも電気製品の宿命である故障が近年多くなり、メンテナンスの費用もかさんできて、いよいよ、次のオルガンを考える時期に来ています。さて、ここで、電子オルガンか、パイプオルガンか、の選択の中で様々な考えがあると思われますが、電子オルガンを電気製品の買い替えのごとく、ぽんと新しいものに入れ替える事は最も簡単な選択であるが、敢えてパイプオルガンを設置しようと願って役員会が決断をしたのは「本物の音で礼拝を捧げたい」の一言で表すことが出来るのです。電子オルガンはどんなにパイプの音に近く再現しても、それはコンピューターによる電気を通った音であり、どんなに立派な演奏でもCDから聴く音は本物でないのと同じで、そこからは心に響く深い感動を覚える事は出来ないのです。
オルガン曲を数多く作曲したバッハは、全ての楽譜の最後に、「Soli Deo Gloria」(栄光を神に帰する)と書き記しました。バッハの作品は全て神に捧げられたのです。それ故に、それを聴くとき、オルガンの音が上から降り注がれ、神の音楽に包み込まれたような感動を覚えるのです。
千葉牧師はじめ信仰の先達が残してくださった遺産を引き継ぎ、守り、それをさらに豊かに大きくしていく使命が私たちに託されています。
神様が望まれる最も美しい音を、賛美を実現していくために努力していく事が私たちに課せられている奉仕に違いありません。10年後、30年後の捜真教会を想像するとき、オルガンの響きの中で人々が主に向かって喜び、感謝して、高らかに賛美を捧げている姿が目に浮かびます。これこそ「Soli Deo Gloria」ではないでしょうか。

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「Orgel 3000」 ブルーの募金袋に高橋美子姉が素敵なデザインをしてくださいました。
「Orgel」とはドイツ語のオルガンを意味します。「3000」は信徒一人一人が毎月3000円を捧げてくださると、
3年後の60周年創立記念礼拝にパイプオルガンの音が鳴り響くという幻が実現する事になるのです。
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