主イエス様のエルサレム入城、今で言う「受難週」の初日の出来事です。主は子ろばに乗って入城されました。それは転ばないためではなく、ゼカリヤ書9章9節の預言が成就するためです。一般に王は馬に乗りますが、王であるにもかかわらず主イエス様はろばにお乗りになりました。主イエス様が柔和なお方、平和の君であることを象徴しているように思います。このような主イエス様を群衆は「ダビデの子にホサナ」と言って歓迎しました。「ホサナ」という言葉は「今、救ってください」という意味で、本来は「仮庵の祭り」(ぶどうの収穫を祝う秋の祭り)での祈りの言葉です。しかし今は「過越の祭り」(大麦の収穫を祝う春の祭り)の時でした。群衆は主イエス様をメシヤとして迎えましたが、それは罪からの解放をもたらす霊的救済者ではなく、ローマの圧政からの解放してくれる政治的救済者として捉えていたのでした。そして群衆は主イエス様のご意思を知った時、熱狂的歓迎から手のひらを返すように「十字架につけろ」(27:22)と叫んだのでした。「群衆」を人ごとのように思えるでしょうか……。私たちもともすると、主イエス様を自分の都合のよいように「利用」してはいないでしょうか……。私たちの信仰を吟味してみましょう。
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