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味わい、見よ、主の恵み深さを。いかに幸いなことか、御もとに身を寄せる人は。(詩編34 編9 節) |
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キリスト者の詩人に「瞬きの詩人」と呼ばれた水野源三という方がおられます。彼は小学校四年生のとき赤痢のため高熱が続き、ついに脳を冒され、脳性麻痺になりました。手足を動かすことが出来ないばかりか、ものも言えなくなり、意思表示する手段としては瞬きをするほかありませんでした。「あいうえお」の五十音図を壁に掛けて、お母さんが字を順番に指し、自分の望む字を指したときに瞬きをする、そのようにして自分の心の思いを詩作していきました。 行動の自由と言葉とを奪われて、現実は牢獄に入れられているような生活であったにもかかわらず、彼の詩には自分の境遇を嘆いたり苦痛を訴えるような言葉はほとんど見当たりません。そればかりか、キリストに罪を赦されている自分の身を感謝し、同じように病で苦しむ方々の上に思いを馳せる言葉で満たされていることに驚き深く感動を覚えます。 その水野さんが次のような詩を詠っています。「三十三年前に脳性麻痺になった時は神様を恨みました。 それがキリストの愛に触れるためだと知り感謝と喜びに変わりました。」水野源三さんは自分の悲しみや苦しみの只中で、神様を恨んだと記しています。想像を絶するご家族の苦悩の日々であったことでしょう。 しかし、彼はそれがキリストの愛に触れるためだと知ったとき、感謝と喜びに変えられたのだと詠っているのです。 「不思議です 不思議です 今なお生かされていることが 悲しみや苦しみを耐えてこられたことが主の信仰をたもちこられたことが天のお父様にただ感謝するのみです」彼は自分の歩んできた悲しみや苦しみの道を思い起こして、生きて耐えてこられたこと、信仰が保たれたことに不思議だと詠わざるを得ませんでした。そして、信仰を与えられたことを神様の恵みであると確信して、感謝するのみと詠っているのです。 私たちにも神様ご自身がキリストの愛に触れさせて下さり、私たちの頑なな心を開いて下さいますように。イエス・キリストをこの世に遣わされ、救いのみ業を始められた神様は、今もなお主の教会を通して働いておられ、あなたを救いの恵みに招いて下さっています。 神様に心を開かれて、救い主、イエス・キリストを喜びのうちにお迎え致しましょう。 おちぼ112号より |
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